【キラ★星企業】姫路商工会議所報2月号に掲載いただきました。

2023/02/01~

姫路商工会議所報2月号【キラ★星企業】に掲載いただきました。

 

https://www.himeji-cci.or.jp/back_number/pdf/kiraboshi_202302.pdf

 

【2022年11月 兵庫県技能顕功賞を受賞】
野里にあるパティスリー ル・クールは今年10周年を迎える。オーナーの眞砂氏は有名洋菓子店やホテルで技術を磨き、過去には様々なコンテストで受賞、現在は同店での洋菓子製造のほか、製菓専門学校で講師を務める。同店では、播磨の卵と姫路産のはちみつを使用したマドレーヌ『はりまど』をはじめ、地域食材を使ったスイーツを生み出し、地場産業の魅力を伝えている。これらの取り組みの技能の優秀さ・産業への貢献度などが評価され、2022年11月に兵庫県技能顕功賞を受賞した。

【笑顔がこぼれるまごころケーキ】
店名のル・クールはフランス語で「心」を意味する。眞砂氏は「まごころ」を込めたケーキをコンセプトとしている。ホテルで勤務していた頃は、作り手のこだわりや珍しさが目を引くスタイリッシュなケーキが主流だったが、子どもの多い地域の特性をふまえ、分かりやすいケーキを提供する。ケーキの断面を見せ、一目
でどんなケーキなのかが分かるよう工夫がされている。さらに、ケーキの美味しさを追求し、できたてにこだわっている。スポンジやクッキー生地は、その食感や使用する食材本来の香りや味わいが損なわれないよう、その日の朝に焼き上げる。また、ホテルのイベントをヒントに、定期的にミニサイズのケーキのテイクアウ
トバイキングを開催している。ケーキ屋は年に1回の誕生日など、特別な日の利用に限る人も多いが、なじみのあるケーキ屋さんとして気軽に利用してほしいと考え、そのきっかけとしてこのイベントを始めた。当初は、イベントの時にしかお客さんが集まらないのではないかという不安もあったが、結果として日々の売上アッ
プに成功した。

【講師経験とスキルを活かしたお菓子教室】
洋菓子製造に加えて、店舗の2階ではお菓子教室「ル・クールサロン」を開講している。専門学校の講師経験と店舗開業のスキルを掛け合わせた教室は、製菓の技術を丁寧かつ本格的に学べる点で他のお菓子教室とは一線を画する。教室は受講生の腕前と受講歴によって初級・中級・上級・テクニカルコースの4つのコースに
分かれる。受講生は幅広く、専門学校の卒業生や主婦、高校生、カフェのオーナーなどが集まる。習うのは家庭で作れるお菓子が中心だ。家庭でも揃う道具だけを使い、子どもと一緒でも安全なIHで調理する。一方で、必ずホイッパー
を使って手作業で泡立てるなど、必要な作業は省かずしっかりと技術を学ぶ。

【日本お菓子教室協会を設立】
教室の受講生は熱心で、渡したレシピが真っ黒になるまでメモを書き込む方もいる。ある日、開講当初から受講している生徒から「7年間も教室に通って技術を磨いた成果が形に残らないのが寂しい。」という声があった。眞砂氏はこれまでの成果をどうにか形に表すことができないかと思案し、資格制度の導入を思いついた。
その実現に向けて行政書士と相談を重ね、2022年5月に日本お菓子教室協会を設立。協会では独自のカリキュラムに基づく教育制度、認定制度等を通じてお菓子作りに関する専門的知識と技能を習得し、全国のお菓子教室の普及と向上を目指している。協会独自のマイスター資格を設け、まずはル・クールサロンで認定制度
を運用、ゆくゆくはお菓子教室の講師の育成などにもつなげる方針だ。

【今後の展望】
眞砂氏は、「働き方を大切にしながら、従業員の育成にも力を入れたいです。今年10月には10周年を迎えますが、協会の取組みなど新しいことにもチャレンジし続けたいです。また、お菓子教室の生徒さんからのご要望もあり、10周年を記念したレシピ本も現在制作中です。」と
語った。同店の今後の活躍に期待したい。